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沖縄そばとは

概要:
沖縄そばは「麺、出汁、具、薬味、調味料、器、箸、歴史」の要素からなる。「うどんのようにでもあり、ラーメンのようでもあり、若干パスタのようでも独特の食感」を持つ沖縄そばは沖縄の気候風土と文化が生んだ麺類です

 沖縄そばとは、うちなーんちゅ(沖縄人)が愛してやまない日常食で沖縄独自の麺類です。最高にうまい沖縄そばは「おばぁの沖縄そば」(おばぁちゃんの沖縄そば)と言われていて、それは核家族化が進む日本において、沖縄には、いまもなお残る家族間の絆の深さを象徴する言葉でもあります。
 沖縄そばは麺類のため、中華そばとほぼ同じで、「出汁薬味調味料歴史」の8大要素で構成されています。特に沖縄そばを語るときには歴史が重要視されます。これは、度重なる戦に巻き込まれほとんどの歴史的文献が消失したことの悔しさがうちなーんちゅのDNAに刻み込まれていると考察しています。
 それぞれの要素を見て行きましょう。

 沖縄そばの本丸は麺になります。この部分にどれだけ歴史を尊重できるかよって、沖縄そばか、ラーメンか、中華そばか、パスタか、うどんかという分岐点になってきます。
 というのも、東京フリーペーパーにメトロミニッツが「うどんのようにでもあり、ラーメンのようでもあり、若干パスタのようでも独特の食感」と評するように、沖縄そばの麺は、多用な麺類のどれにも似ていて、どれとも違うという麺だからです。
 これは沖縄のチャンプル文化の象徴である三線と違わぬ存在では無いでしょうか?
 チャンプル文化は、貿易都市として栄えた琉球王朝時代に、様々な文化の良いところをミックスするというところから始まっている。しかしそれは、ひとつ間違うと、何かのコピーになってしまうのです。
 本州始め本土にある沖縄そば屋で、「これではうどん」と評されてしまうお店があるのは、このチャンプル文化の反映がうまくできていないのでは無いかと思います。
 沖縄そばの麺は小麦粉から作ります。そばとつくのに「そば粉」が入っていないというのは「ネタ」としてあまりにも有名です。しかし、日本人は「そば粉」が入っていないそばをよく食べている。「中華そば」「焼きそば」。この部分をあえて「ネタ」で言い続ける理由がある。それは歴史の項目に譲ることとする。
 「本場沖縄そば」という言葉があります。厳密に沖縄そばの麺の作り方を定義したものあり、詳細は商標権をもつ沖縄生麺協同組合の説明をご参照いただきたいです。
 特徴を掻い摘んで上げておくと、小麦粉のつなぎにかん水または灰汁をつかう。仕上げに油処理をする。の2点ではないでしょうか。油処理をすることで、麺の延命をはかるともいわれており、熱い土地ならではの製麺方法であったのかもしれません。
 しかし、この定義に外れたものも「沖縄そば」を名乗る資格はあります。例えば、油処理をしない生麺やカップ麺の沖縄そばが有名です。最近では、「沖縄そば二郎」というお店のメニューにはラーメンしかないという。
 これらも立派に「沖縄そば」ですが、残念ながら「本場沖縄そば」ではありません。「本場沖縄そば」には厳密な定義があるのに対して、「沖縄そば」は「生めん類の表示に関する公正競争規約」という規約により、中華めんの一名称として扱われるからです。この規約に照らせ合わせれば、中華めんであるラーメンを沖縄そばと名乗ることに何ら問題はありません。
 しかし、この中華めんの定義のなかには「焼そば、揚そば」という名称も含まれます。スープたっぷりの生麺の中華そばを「焼そば」と名乗るには抵抗があるように、沖縄そばの歴史を尊重できない麺を沖縄そばと呼んでしまうことに抵抗を感じます。
 そこをしないと、沖縄の良い物をふんづけちゃう感じですね。しかし、それは食べた人が判断することです。沖縄そばとラーメンの違いを感じてもらえるかどうか、作り手側が試されているのかもしれません。
 最近では、自家製麺のお店が減ってきておりますが、本部では県内最古店の「岸本食堂」を筆頭に、昔ながら木灰をつかった製法で自家製麺にこだわるお店も多いです。ただし、自家製麺のお店は、麺がなくなり次第閉店となります。
 また、フーチバー(よもび)、もずく、長命草、ウコンなどを練りこんだ麺をはじめ、アレルギーに配慮した「むとぅぶ麺」のような物も登場しています。
 

出汁

 出汁はかつおと豚が多く使われます。かつおのみ、豚のみの出汁も多くありますが、かつおと豚をミックスした沖縄独特の出汁も有名です。この組み合わせは他府県ではみられません。
 最近は、出汁も多様化が進んできました。ラーメン化と言われる現象ですが、塩、味噌、鶏、魚介などを使うお店も増えています。今後、他店との差別化を前提としたラーメン化がさらに加速すると思われ原価高になることが懸念されています。
 本部町は県内きってのかつお処ということもあり、鰹出汁にこだわるお店も多いです。透明に澄んだ出汁と、そばの相性は素晴らしく、かつお出汁でも店によってこだわりが違うようです。
 また、山原そばのように創業時から出汁を継ぎ足しで創り続けるこだわり店があるのも本部町の特徴です。

 具には豚のばら肉である、三枚肉とソーキと呼ばれる沖縄風スペアリブ、かまぼこの取り合わせが一般的です。また、ソーキには骨付きと軟骨をとろっと煮込んだものを酔しているお店もあります。
 最近は、沖縄の若い女性すっかり嫌いになってしまった、テビチと呼ばれる豚足を煮込んだものも根強い人気です。見た目にグロテスクさを感じる人もいるようですが、プルプルのコラーゲンが女性の心を掴んで離しません。
 沖縄は豚を食べつくす文化が琉球王朝時代から続いており、中味(ホルモン)を使った沖縄そばを取り使うお店もあります。
 
 その他には、もやしと牛肉に胡椒をいかせた野菜炒めをデカ盛りほどに載せたものや、ゆし豆腐、天ぷら、カレー、麻婆豆腐、アサヒガニ、山羊など、各店舗工夫をこらしています。

薬味

 薬味としては島ネギと紅しょうをのせるお店が多いです。紅しょうがに関しては、味の濃さ、出汁に色が落ちるなどから賛否両論を巻き起こしており、最近では紅抜きの生姜を薬味としてのせる店や、別ザラで出すお店も出てきいます。
 しかし、昔から沖縄そばを愛してる人の、紅しょうがも含めて沖縄そばと捉えている人も多く、紅しょうがをのせることを前提に味を調整するお店もあるようです。

調味料

 コーレーグースという調味料が多くの店舗で置かれていますが、これは泡盛に島とうがらしをつけたスパイシーな調味料です。
 泡盛の銘柄は一節には400を超えると言われており、どの泡盛をチョイスするかによって、微妙に味が変わると言われています。
 また、クース(古酒)と呼ばれる10年以上も熟成された泡盛を使ってコーレーグースを創る家庭もあるという。
 その他の調味料として、七味唐辛子もそえられていることがあります。特に長野の根元 八幡屋礒五郎との相性は抜群とも聞きます。

 器、沖縄ではそばまかいといいますが、多くのお店でこだわりを持って採用を決めているようです。この部分は、今後調査を進めていくことになります。

 沖縄そばを感じさせるものに、赤と黄色のツートンカラーのお箸が外せません。沖縄ではうめーしと呼ぶそうですがあまり使われてないと思います。なぜ、赤と黄色かは定かでは有りませんが、琉球王朝時代は色で身分を分けていたとか。
 そばじょーぐとしては、紅しょうがと麺の色と言いたいところでもあります。

歴史

 沖縄そばは、琉球王朝時代に中国から伝えられた支那そばを皇族が食べていたという話がある。これは、当時小麦粉が高級品として手に入らなかったからだという。
 記録として残っているのもは、薩摩侵攻、琉球処分を経た、日本明治時代の支那そば屋が庶民の食としての始まりとされている。
 実際に、そばが普及しだしたのは大正に入ってからで、その後戦乱期を迎え、鉄の暴風で沖縄本島からほとんどのそば屋が跡形もなく消失。アメリカに統治されることとなる。
 統治後、米軍から配給されるメリケン粉を使って、お店も少しづつ、そしてたくましく復興していき、徐々に沖縄そばという名前が、県内に浸透していく。
 1972年に沖縄が日本に復帰し、しばらくすると公正取引委員会に、そば粉を使っていないのにそばとは何事ごとかと、クレームが付き「沖縄そば」消滅の危機を迎える。
 沖縄生麺協同組合と公正取引委員会の長い長い交渉の末、特殊名称として認定され「本場沖縄そば」として、沖縄そばが生き残る道が生まれる。
 現在は、「沖縄そば」は中華めんの一種の名称として、そば粉がどうのこうのいう話もなくなり、焼きそばと同じ感覚で使える様になってる。ただし、中華めんには、ラーメンがあり、沖縄そばとの区別が付けにくい状態である。
 また、沖縄そばを本土で販売するにあたって「沖縄ラーメン」と名乗った時期があります。
 現在、沖縄そばが存続できているのは、沖縄生麺協同組合の取り組みの結果と言っても過言では有りません。仮に、公正取引委員会のクレーム後早々に「沖縄ラーメン」と名乗っていれば、沖縄そばの製法は廃れ、沖縄県内にはラーメン屋や和そば屋が多くなって、若い世代の人達は、あのぼそっとした食感を味わうことがなかったのは容易に想像できてしまいます。
 それゆえに、沖縄そばは、歴史を尊重することに大きな意義があり、歴史を尊重しないのであれば、ラーメンと名乗っても差し支えがありません。
 こういった経緯もあり、沖縄そばは「そば粉」が使われてないに「そば」なんだよとネタとして使います。使い続けることも重要です。
 また、「本場沖縄そば」の製法を守っている沖縄麺では「本場沖縄そば」を名乗るべきだともおもいます。「本場沖縄そば」「沖縄そば」ともに、沖縄生麺協同組合が商標権を持っていますが、沖縄そばだけにスバらしいスタンスを取っておられます。「本場沖縄そば」を活用することで、ラーメンとの差別化を図れることはまちがいありません。
 われわれ、もとぶのそばを食べ尽くす会も、沖縄そばの歴史を尊重し、そして味わい、微力ながらも沖縄そばの普及活動を行っていければとおもいます。

沖縄そばの町もとぶの特徴

 観光客もグルメの方々もうならせる名店が多い本部町。カフェでインターネットが出来るお店でも沖縄そばを楽しめるのが、那覇からレンタカーで2時間の位置にある本部町。
 沖縄県では四季を楽しむのは難しい。しかし、本部町には一年中、海の魚達が見れる沖縄美ら海水族館がある。よく、水族館に足を運ぶのですが、魚たちは四季を感じているようです。
 水族館があることでイベントも多く、県民、観光客が多く訪れ、泊まる人も多いため居酒屋でも沖縄そば楽しめる本部町。
 そんな本部町で、本部町そばじょーぐぅ王(そば好き)を決めるスタンプーを我々もとぶのそばを食べ尽くす会で主催させていただいた。
 2ヶ月に及ぶスタンプラリーは1600名の方々に参加いただき、初代そばじょーぐぅ王はご協力いただいた71店舗を全店制覇達成し沖縄のそばじょーぐぅたちの度肝を抜きました。
 それほどまでにそばのことが好きな本部町民。沖縄そばの町というだけのことはありますね。
 現在、2013年8月1日時点で確認できている沖縄そば取扱店は76店舗。表立っては公表していないが、メニューにこっそり沖縄そばがある店はまだありそうで、現在も引き続き調査中です